漫画盛りライス

ライスは万能じゃない!

ライスは万能じゃない!

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ごめんなさい…お米の話ではありません。
ええ、お米は万能ですから。白米大好き!

さて、ライス処置=RICE処置のお話。

RICE処置

自分がスポーツをされている方、お子様がスポーツをされている方、
あるいは一般常識として、知っている方も多いかと思います。
安静・冷却・圧迫・挙上→これは、ケガを負った時の応急処置の原則です。
捻挫や骨折や、出血を伴う外傷等の場合は、これらの原則に従って応急処置をし、
早急に病院へ行かれてください。

この原則・法則は、ほとんど全部が「炎症や出血を抑える」ことが目的になっています。
冷却・圧迫・挙上は完全にそうで、血流量を減らし、出血を抑え、患部に血が行くのを止める目的です。
安静に関しても、出血を抑える目的がありますが、それだけではなく、傷を広げず、負荷をかけず、病院で診てもらうまで状態を保存するという効果もあります。

RICE冷却足首

私は以前は接骨院に勤めていました。
ケガの治療もしていたので、RICE処置もしましたし、
患者様からよくある質問

「温めればいいの?冷やせばいいの?」
「お風呂は入って良いですか?」

という質問に対しても、RICEを原則に返答していました。

たしかに急性期のケガには有効だと思いますが、
当時の私は、まだまだ「浅かった」とも思います。
学校で「RICE処置」を勉強したばかりだったので、あまり深く考えずに適用していました。

RICE処置は血流を抑える
これは、人体が自動で行おうとする治癒の過程を止めていることになる。
損傷した組織は血液供給によって再生する。
患部に血液が集まろうとするのは、治すためで、
血液が酸素や栄養を運んでくることで、回復・修復されます。
血流量が増えることも、熱を持つことも、自然治癒の過程なのです。

そう考えると、冷却は治癒をストップさせることになります。
間違いというわけではなくて、なぜ冷却をするのかというと、痛みを抑えられるからです。
冷やすと、痛みを感じにくく、感覚が鈍くなります。
ケガが治る、傷が塞がる、損傷した組織が修復される、わけではないけど、
とりあえず痛みを消失させるという目的のために冷やすというわけです。
苦痛からの解放、痛みによる更なる緊張、二次的損傷等を防ぐためには、必要なことがありますが、
あくまで「しのぎ」であり、治癒には繋がらないのです。
これは湿布や飲み薬にも言える事ですが、
耐えるに辛い痛みを、薬や冷却の作用で抑えている間に、ケガは自分の自然治癒力で治るのであって、
薬や冷却が治癒させているのとは意味が違います。

矛盾

話を「温めるか冷やすか」に戻すと、
冷やせば痛みを抑えられるが、血流も抑えられて治癒は遅れる。
温めれば痛みが増すので推奨できないが、治癒スピードで考えれば血流は促進したい。
この様に、「温めるべきか、冷やすべきか」の疑問の答えは、
「治癒を早める」と「痛みを取り除く」の間で矛盾していて、
単純な問題ではないので、
痛みの程度や出血・内出血の程度、タイミング、その他の状況を診ての判断になります。
アイスばっかりじゃダメです。

ガリガリ君梨

また、圧迫と挙上は「腫れ」を防ぐために有効です。

捻挫、腫れ

捻挫を例にイメージしていただくと、
伸ばされて損傷した部分はピンポイントなのですが、
そこへ血液等が集まり過ぎて、溜まってしまうと、
周辺が酷く腫れあがってしまうことで痛みが増してしまうのです。
圧迫痛も運動痛もありますし、うっ血もするからです。
これを防ぐためには、適度に圧迫し、高く上げてください。
RICEの冷却ばかりに注目せず、圧迫・挙上を軽視しないことがおすすめです。

「痛み」そのものが筋肉の緊張をより強めると悪循環に陥りますので、
痛みを抑えることは重要です。
しかし、それだけでは「治癒」は起こらないのです。
「痛み」は単に、脳への信号です。
痛みがなくなる事は、損傷が治癒する事とは別の問題なのです。
痛みと腫れを最小限に抑えた後には、血流を促進した方が治癒が早まります。

お風呂

では、「筋肉痛」はどうでしょうか?
「筋肉痛も、筋肉の微細な断裂であるから、RICEが適用」という先生がいるようです。

私はそうは思いません。
筋肉の緊張をほぐす事で緩和する痛みがあると思いますし、
痛さの程度によっては、自然治癒力を高めた方が早い場合があると思うからです。
例えば、スポーツにより筋肉が強く収縮、緊張し、
動きの中で、じん帯や筋肉の一部が炎症を起こしたり、微細に断裂したとします。
ピンポイントの患部には触れたり刺激したりできませんが、
周囲の筋肉や関連する筋肉を緩めることができれば、
患部に加わる力を軽くし、痛みを緩和し、傷が広がることを防げる可能性があります。

ゴルフやテニスをされた方が、当日の内にマッサージを受けたり、
湯船に浸かって、試合の疲れを取ったり、つった脚や軽い肉離れの痛みが取れたり、
その様な経験がある方は多いのではないでしょうか?
RICE処置の拡大解釈には気をつけましょう。

何が痛みの原因か?を考えずに、
痛みという信号が消えれば良い。という考え方をしてしまうと、
根本治癒やケガの予防からは遠ざかってしまうのです。

発熱女子

ちなみに、風邪で熱が上がるのは免疫力を上げるためです。
これも、自分で自分を治そうとする自然治癒能力です。
この事も、解熱剤で熱だけ下げても、せっかく体温を上げて病気と闘っている治癒過程をストップさせるということです。

私は、「薬は飲んだらいけません」とは言いません。
痛みも、熱も、一時的にでも抑えなければ危険な場合があると思います。
薬も、ケガへの応急処置も、必要で正しいことだと思っています。
ただし、痛みや炎症を消す事=治癒する事ではないことは、正しく認識しているべきです。

いずれにしても、ケガや病気の時の判断は複雑で難しい問題ですね。
「こうすればいい」という行為だけ覚えていても意味がありません。
「何を目的にする処置か」を正しく理解した上で、
するべき状況、タイミングを見極めてはじめて、効果を期待できるのだと思います。

症状(痛みや熱)を消失させたいのか、根本の治癒や改善がしたいのか、です。

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